妻に副業を打ち明けた日|成果が出ないまま、正直に話してみた夜のこと

この記事は、私が妻に副業のことを打ち明けた日のことを書いたものです。

副業というと、稼ぎ方や始め方の話が多いですが、これはそういう話ではありません。家族に「実はこういうことを始めたい(始めている)」と伝えるときの、あの落ち着かない気持ちのほうの話です。

小さな出来事です。でも、私にとっては、副業を続けていくうえで欠かせない一歩でした。同じように、家族にどう伝えようか迷っている人がいたら、何か参考になればと思います。

しばらく言い出せなかった

正直に言うと、私はしばらくのあいだ、副業のことを妻にはっきり伝えられずにいました。こっそり隠していた、というほどではないのですが、きちんと話す機会を、ずるずると先延ばしにしていたのです。

理由はいくつかありました。まず、まだ何の成果も出ていなかったこと。1円にもなっていないのに、「副業を始めた」と胸を張って言えるものか、という後ろめたさがありました。

成果がないと、人に話す資格がないような気がしてしまう。今振り返ると、これは思い込みでした。でも当時の私には、結果を出してから話したい、という気持ちが、どうしても拭えませんでした。

それから、反応が怖かったのもあります。「そんな時間があるなら家のことをして」と言われたらどうしよう。「うまくいくの?」と心配そうな顔をされたらどうしよう。頭の中で、勝手にいろいろな返事を想像しては、口をつぐんでいました。

今思えば、その想像のほとんどは、起きてもいないことへの心配でした。人は、まだ起きていないことを、いちばん怖がるものなのかもしれません。私はその架空の反応に、勝手に身構えていたのです。

言い出せなかった本当の理由

でも、あとから考えると、言い出せなかった一番の理由は、もっと自分の中にありました。

それは、自分自身が、副業に自信を持てていなかったということです。成果もないし、続けられるかも分からない。そんな中途半端な状態のものを、家族に話して、もし途中でやめてしまったら格好がつかない。そういう、見栄のようなものが、私の口を重くしていました。

妻の反応が怖かったのではなく、本当は、自分の弱さを見せるのが怖かったのだと思います。うまくいっていない自分を、一番近い人に知られるのが、なんだか怖かったのです。

おかしな話です。一番味方になってくれるはずの人にこそ、弱い部分を見せられない。でも、近いからこそ、かっこ悪いところを見せたくない、という気持ちは、たぶん私だけのものではないと思います。

打ち明けた夜のこと

結局、ちゃんと話したのは、ある夜、子どもが寝たあとの台所でした。特別なきっかけがあったわけではありません。なんとなく、もうこのまま黙っているのも違うな、と思ったのです。

一番やめたくなった時期を、なんとか通り抜けたあとだったのも大きかったと思います。一人で抱えるしんどさが身にしみていたぶん、もう隠したくない、という気持ちが、自然とわいてきたのかもしれません。

「実は、前からちょっとやっていることがあって」。そう切り出すまでに、私はずいぶん前置きをしました。たいした話でもないのに、心臓が少し速くなっていたのを覚えています。

告白でもないのに、まるで何か大きな秘密を打ち明けるような心境でした。子どもの寝息が聞こえる静かな台所で、自分の声だけが、やけにはっきり耳に届いていたのを覚えています。

副業を始めていること。でも、まだ全然うまくいっていないこと。それでも、将来のために少しでも何かしておきたいと思っていること。たどたどしく、でも正直に、そう伝えました。

うまく説明できた自信はありません。話しながら、自分でも何を言っているのか、少しずつ分からなくなっていきました。それでも、とにかく正直であろうとだけは思っていました。飾っても仕方がない、と。

返ってきた言葉

身構えていた私に、妻が返してくれた言葉は、拍子抜けするほど短いものでした。「いいんじゃない、やってみれば」。

それから、こう続けました。「ずっと夜に何かやってるのは、気づいてたよ」。私は驚きました。隠していたつもりが、ぜんぶ見られていたのです。

責めるでもなく、過剰に期待するでもなく、ただ「やってみれば」と言ってくれた。その軽さが、かえってありがたかったです。私が一人で重く考えていたことが、ふっとほどけていくようでした。

あれこれ言い訳を準備していた私にとって、その短い一言は、肩透かしでもあり、救いでもありました。重く考えていたのは自分だけで、相手はもっと自然に受け止めてくれていた。そういうことは、案外多いのかもしれません。

拍子抜けと、安心と

正直、拍子抜けでした。あれだけ言い出すのを怖がっていたのは何だったのか、と。

でも、それ以上に大きかったのは、安心感でした。これまで一人でこっそり抱えていたものを、ようやく家族と共有できた。たとえ成果が出ていなくても、「やっていることを知ってもらえている」というだけで、こんなに気持ちが軽くなるのかと驚きました。

打ち明ける前の私は、どこか後ろめたさを抱えながら机に向かっていました。でも打ち明けたあとは、堂々と(と言うと大げさですが)作業できるようになりました。隠しごとをしていないというのは、思った以上に心を軽くしてくれるものでした。

支援の仕事でも、「一人で抱え込まずに、小さく相談できる人ほど続いていく」と感じてきました。それを人には言ってきたのに、自分のことになると、ずっと抱え込んでいた。打ち明けてみて、ようやく自分でもそれを実践できた気がしました。

家族に話して変わったこと

妻に打ち明けてから、いくつか変わったことがあります。

ひとつは、無理をしすぎなくなったことです。隠していた頃は、家族が起きている時間を避けてこっそりやっていたので、どうしても睡眠を削りがちでした。でも、オープンにしてからは、「今日はこれだけやるね」と一言伝えて、無理のない範囲でできるようになりました。

もうひとつは、ささやかですが、妻がときどき気にかけてくれるようになったことです。「最近どう?」と聞かれる。それだけのことですが、一人でやっているのと、見守ってくれている人がいるのとでは、続けやすさがまるで違いました。

成果を報告できる日ばかりではありません。むしろ「相変わらず、ぼちぼち」と答える日のほうが多い。それでも、聞いてくれる人がいるというだけで、孤独に押しつぶされそうになる夜が、ずいぶん減りました。

副業は一人で黙々とやるもの、というイメージがありました。でも、私の場合は、家族に話したことで、むしろ続けやすくなりました。これは、始める前には想像していなかったことです。

一人で頑張るより、誰か一人にでも知っていてもらうほうが、ずっと続けやすい。当たり前のようでいて、実際に経験するまで、私はその大切さに気づけませんでした。

家族に打ち明けるか迷っている人へ

最後に、もし今、副業を家族に話すかどうか迷っている人がいたら、私の経験から少しだけ。

もちろん、家庭の事情はそれぞれですし、必ず話すべきだとは言いません。タイミングや伝え方も、人それぞれだと思います。

ただ、私自身は、打ち明けて本当によかったと思っています。成果が出ていなくても、立派な説明ができなくても、大丈夫でした。むしろ「まだうまくいっていないんだけど」と正直に話したことが、かえって受け入れてもらいやすかった気がします。

立派な計画を語られるより、「うまくいってないけど、続けたい」と素直に言われたほうが、相手も応援しやすいのかもしれません。少なくとも私の場合は、飾らなかったことが、結果的によかったように思います。

完璧な状態になってから話そうとすると、たぶん一生話せません。情けないまま、中途半端なまま、それでも正直に伝える。そのほうが、案外うまくいくこともあります。私の場合は、そうでした。あの夜、勇気を出してよかったと、今でも思っています。

大げさな決断でも、感動的な場面でもありませんでした。ただ、台所で正直に話した、それだけの夜です。でも、その小さな一歩がなければ、私はきっと、今も一人でこっそり抱えたまま、もっと早くに息切れしていたように思います。

あわせて読みたい

福祉職の給料のリアルと、なぜ私が副業を始めたのか|そもそもなぜ副業を始めたのか、その動機を書いた記事はこちら。

副業6年、最初の3年はほぼ0円だった全記録|成果が出なかった時期を含む、副業6年の全記録です。

「このままで大丈夫か」という不安と、どう付き合っているか|家族や将来への不安について、もう少し書いた記事です。

虎吉の自己紹介|手取り28万で年110万貯めた40代会社員の話|どんな家族構成で書いているのか、よければこちらから。

\ 最後まで読んでいただきありがとうございます /

副業・節約・転職について個別に相談したい方、もっと深掘りした記事を読みたい方は、こちらもどうぞ。

Leave a comment