市場分析 No.006|フリーランス新法が、副業ワーカーの「契約」を変え始めている話

はじめに

副業を始めて6年、契約書というものをあまり意識せずに仕事を受けてきました。発注メールと簡単な指示書だけで進む仕事も多く、それが当たり前だと思っていました。ところが最近、取引先から届く発注内容が少しずつ変わってきたことに気づきました。書面の交付や支払期日の明記など、これまでより「きちんとした形」を求められる場面が増えてきたのです。今回はその背景にあるフリーランス新法について、副業ワーカーの視点から市場の変化を整理してみます。

フリーランス新法とは

2024年11月に施行された「フリーランス・事業者間取引適正化等法」は、企業が個人事業主やフリーランスに業務を発注する際のルールを定めたものです。発注内容を書面やデータで明示すること、報酬の支払期日を発注から60日以内のできるだけ早い時期に設定することなどが、発注する企業側に義務づけられています。副業ワーカーであっても、業務委託契約で仕事を受けている場合はこの対象に含まれることがあります。制度の詳細や自分のケースが対象になるかどうかは、厚生労働省や公正取引委員会の公式情報、あるいは専門家に確認することをおすすめします。

副業市場で何が変わってきたと感じるか

実際に受注する側として感じる変化は、大きく3つあります。ひとつは、発注時に書面やチャットで条件が明示されるケースが増えたこと。以前は口頭ベースで進んでいた小さな案件でも、金額や納期がテキストで残るようになってきました。ふたつめは、支払いサイトが短くなる傾向があること。以前より早いタイミングで報酬が振り込まれる案件を見かけるようになりました。みっつめは、クラウドソーシングサービス側の規約や説明ページに、新法に関する案内が追加されるようになったことです。プラットフォーム自体が対応を進めている様子がうかがえます。

これからどう向き合っていくか

新法があるからといって、すべての取引が急に安全になるわけではありません。ただ、発注する側にも一定のルールが求められるようになったことで、副業ワーカー側も「契約条件を確認する」という意識を持ちやすくなったのは確かだと思います。個人的には、発注内容が書面やチャットで残っているかどうかを、これまで以上に確認するようにしています。また、契約や支払いに関して不安な点がある場合は、フリーランス・トラブル110番など公的な相談窓口も用意されています。一人で抱え込まず、必要に応じて専門家や公的機関に相談することも選択肢に入れておきたいところです。

まとめ

副業を6年続けてきて、契約に関するルールがここまで注目される時期は初めてかもしれません。フリーランス新法はまだ始まったばかりの制度で、今後も運用面で変化していく可能性があります。市場ラボでは、こうした法制度や取引環境の変化についても、副業ワーカーの実感ベースで継続的に追いかけていきたいと思います。制度の詳細な要件や自分のケースへの当てはめについては、厚生労働省・公正取引委員会の公式情報や社会保険労務士など専門家への相談をおすすめします。

最後に、少し立ち止まって

今回の内容を読んで、ご自身の契約や仕事の受け方について、何か思い当たることはありましたか。すぐに答えを出す必要はありません。まずは「自分の契約は今、どうなっているか」を振り返ってみることから始めてみてください。

副業の受注環境は、契約だけでなく「発注のされ方」そのものも変わってきています。関連して、こちらの記事もあわせてご覧ください。

▶ 市場分析No.005|副業市場で「クラウドソーシング」の使われ方が変わってきたと感じる理由

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